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半年に一度、プリントを焼きに来られるお客様のこと

投稿者:トミカラー写真現像所
2026年2月20日

半年に一度くらいのペースで、 プリントを焼きに来てくださるお客様がいます。
頻繁にやり取りをするわけではありません。
近況を細かく伺うこともありません。
ただ、写真がある程度、自分の中で落ち着いた頃に、ふと思い出したように来てくださる。 私たちにとっては、その距離感がとても自然です。

その日のプリント作業

その日お持ちいただいた写真も、 撮影から少し時間が経っているものでした。 モニターで確認しながら、 大きな調整を加える必要はないと感じました。 むしろ、何かを足すよりも、 そのまま紙の上に出すほうがいい。 「素直にプリントを出そう」 スタッフの間で、特別な言葉を交わしたわけではありません。 ただ、写真が持っている空気を崩さないことだけを意識して、 いつも通りにプリント作業を進めました。

共有できたもの

仕上がったプリントをお渡ししたとき、 お客様は多くを語らず、 しばらく写真を見てから、静かにうなずかれました。 その反応を見て、 撮影者が被写体に向けていた視線や距離感を、 こちらもきちんと受け取れていたのだと感じました。 うまく仕上げた、という感覚とは少し違います。 思いや感じ方を、共有できた ただそれだけのことが、強く残りました。

ご一報をいただいてから

後日、受賞のご連絡をいただきました。 驚きはありましたが、 真っ先に思い出したのは、 評価や結果ではありません。 モニターの前で少し迷ったこと。 結局、そのまま出そうと決めたこと。 プリントを前に、言葉が少なくなった時間。 あのときの判断が、 間違っていなかったと確認できた、 それくらいの感覚でした。

半年に一度、という距離

このお客様は、 必要なときだけ、プリントを焼きに来られます。 定期的でなくていい。 毎回でなくていい。 写真が自分の中で熟したときに、 思い出してもらえればいい。 私たちは、 そういう関係でいられることを大切にしています。

プリントという時間

プリントは、 仕上げるための作業ではなく、 写真について話すための時間なのかもしれません。 評価される前に。 選ばれる前に。 誰かと分かち合われる、その一瞬のために。 半年に一度でも、 その時間に立ち会えるなら、 それで十分だと思っています。

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